五蘊盛苦(ごうんじょうく)の意味が少しだけ理解できたお話

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四苦八苦という言葉がありますが、これは、人生の苦しみを8つの要素に分類したものです。自分自身が生きていく中で、苦しいと思っていたことが、ある日少しだけ理解できたお話です。

目次

五蘊盛苦(ごうんじょうく)を自分なりに解釈してみた

四苦八苦とは8つの苦しみのこと

「生(しょう)」「老(ろう)」「病(びょう)」「死(し)」「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」の8つです。

  • 生(しょう)…生まれてくる苦しみ
  • 老(ろう)…老いる苦しみ
  • 病(びょう)…病気になる苦しみ
  • 死(し)…死ぬ苦しみ
  • 愛別離苦(あいべつりく)
    愛している人と別れなければならない苦しみ
  • 怨憎会苦(おんぞうえく)
    恨んで憎んでいる人と会わなければならない苦しみ
  • 求不得苦(ぐふとくく)
    求めるもの、欲しいものが手に入らない(得られない)苦しみ
  • 五蘊盛苦(ごうんじょうく)
    五つの蘊(色・受・想・行・識)の人間の感覚のこと。この5つの感覚が、あまりにもシャープ(鋭すぎる)ためにつらくなってしまう苦しみ。生きている(心身の活動をしている)だけでこの5つの苦しみが次から次へと湧き上がってくること。うーん、ちょっと難しい…

五蘊盛苦を理解するのが難しかった

五蘊盛苦については、いろいろな本を読んだり調べてもしばらくは理解できませんでした。
(現在も、100%自身を持って理解できているとは言えないのですが…)

ある時、小林正観さんの教えてをお聞きし、五蘊(色・受・想・行・識)については、このような例え話で少しイメージを深めることができました。

  • 色(しき)
    ものが存在する姿・形のこと。自分の目の前に女性がいる。
  • 受(じゅ)
    その「色」を目で見て認識した。その女性を見てかわいい娘だと思った。
  • 想(そう)
    その娘とお付き合いしたいと思った。
  • 行(ぎょう)
    思い切ってデートに誘って告白した。
  • 識(しき)
    断られてショックを受けた。

生きている(活動をしている)だけで、苦しみが次から次へと湧き上がってくることを五蘊というようです。この五蘊について、深く神経質に考えすぎてしまうことが、悩み(苦しみ)につながっていくようです。鈍感であるほうが、悩みは少ないのかもしれません。

色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)

「目の前に見えるもの、目の前で起こっている現象は、もともとニュートラルでありゼロ。色がついていない。私たち自身の心が、その現象に対してそれぞれ勝手に色(想い)をつけている。
『暑い、寒い』『早い、遅い』『つらい、楽しい』『悲しい、嬉しい』といった色をつけているにすぎない。どうやら、それが苦しみの原因のようです。

色即是空(しきそくぜくう)…色はすなわちこれ空なり
空即是色(くうそくぜしき)…空はすなわちこれ色なり

受想行識亦復如是(じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ)

これは、五蘊の「色」以外の残り4つ「受・想・行・識」についても、「色」と同じように考えるんだよ。全部同じように「空」なんだよという意味だそうです。
つまり、「色」以外の残り4つの蘊「受・想・行・識」についても同じように空であるということ。
文字にあらわすと

即是空 空即是
即是空 空即是
即是空 空即是
即是空 空即是

ということになります。

般若心経の前半部分の解釈

今までの内容を般若心経の前半部分にあてはめてみると、このような意味になるようです。

観自在菩薩(かんじざいぼさつ)
(自在に世の中を見通す力を持つた観世音菩薩が)

行深般若波羅蜜多時( ぎょうじんはんにゃはらみったじ)
(より人類救済のための最高の知恵を身につけようと深い行に入っていた時のこと)
※般若…人類救済のための知恵のこと
※波羅蜜多とは…地上の最高の(これ以上にない)

照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)
(照らし見るに、五蘊はみんな空なりと悟りあそばされた)

度一切苦厄(どいっさいくやく)
(したがってすべての苦厄は全部、彼岸の岸に渡すことができると悟った)

舎利子 色不異空 空不異色(しゃりし しきふいくう くうふいしき)
(舎利子くん、色は空に異ならず、空は色に異ならずなんだよ)

色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)
(色はすなわちこれ空なり 空はすなわちこれ色なりというのはね、目の前に見えるもの、目の前で起こっている現象は、色がついていないということなんだよ。私たち自身が、その現象に対して勝手に色(想い)をつけているだけなんだよ。

受想行識亦復如是(じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ)
五蘊の「色」以外の残り4つ「受・想・行・識」についても同なんだよ。全部、空なんだよ。舎利子くん。

つまり、「空」である現象を「嬉しい、楽しい」と捉えることも、「悲しい、つらい、」と捉えるのも自分自身。
苦しみは、自分の捉え方(心)が生み出している。
ということになります。ということは、過去も未来も、捉え方次第で変えていくことができるのかもしれません。

最後に…
四苦八苦は、
四苦(4×9=36)八苦(8×9=72)を足した数「36+72=108」
それで煩悩の数が108となった…というダジャレのような説から生まれたという話があります。
(そもそも、仏教の大元には108の煩悩という概念は無かったそうです)

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